本物のバーテンダーがここにいる!『バー ベンフィディック(Bar Benfiddich)』新宿/東京

本物のバーテンダーがここにいる!『バー ベンフィディック(Bar Benfiddich)』新宿/東京

新宿の街に溶け込む雑居ビル。そのビルの9階でひっそりと営業するバー。看板も目立たず、しばらくビルの前で佇んでしまう。バーの扉を開けたことがなければ引き返してしまうであろう木製の扉。その扉の向こうには、時が止まった異世界が広がっていた。

まだ金曜の18時過ぎ。この日の一番客が私だ。カウンターの中央で、にこやかに迎え入れてくれる白いバーコートのバーテンダー。中央には美しい絵画、左右に配置されたバックバーには、見たこともない古酒の数々とおそらくカクテルに使用されるのであろうスパイスやハーブ類。その下には美しいアンティークグラスが並んでいる。

バーの特等席であるカウンターの中央に腰掛け、一杯目のオーダーを。使用するボトルを並べ、作り始められる私の為の一杯。手際良く、そして、丁寧に作る姿は、ひとつひとつがとても美しい。その姿を眺めていれば飲まなくたってわかってしまう、これは素晴らしい一杯だと。一口含めば、それは至福という言葉が似合う。

マンハッタン

もはや、私ごときの狭い見識の中でオーダーしても無駄だと悟り、後は完全にお任せしてしまう。その中で出てきたこの日の2杯目が、マティーニの水割りだ。マティーニは、ステアが一回転多いだけで水っぽくなってしまうと言われるほどのものなのに、それを水割りにしてしまうとはなんとも恐ろしい発想だ。しかし、水で伸ばすことで香りが開くのだという。「水とアルコールを一体化させることが重要」だといい、ステアではなく、スローイングという手法で作り始める。スローイングだと、空気に多く触れるため、香りもより開いてくる。完成したそれを大ぶりのワイングラスに注ぎ、自家製のフレッシュハーブを数種類。衝撃的なマティーニが完成だ。まろやかで濃厚、水っぽさなんて微塵も感じることがない。そして確実に、マティーニの味がする。

マティーニの水割り

ワールドベストバーにもランクインするほどの店主は、探究心が強く、理詰めでカクテルを美味しく作る理論派のバーテンダー。おそらく、語らせたら何時間でも喋り続けるであろうほどに仕事の情熱を捧げ楽しんでいる本物のバーテンダーだ。グラスについて尋ねると、「美味しいお酒には、いいお洋服を着せてあげないと」と笑顔で語るその姿に、私は思わず感動してしまった。

オールドファッションド

多くのカクテルをゆっくりと味わい気付けばいい時間になっている。まさに時が止まっていたような感覚だ。

マティーニ

カクテルを作る技術もサービス力も間違いなく一流の本物のバーテンダーがここにいる。お酒を味わい、楽しむことができる”良い飲み手”だけに訪れてほしいバーである。


Bar Benfiddich
営業時間 / 18:00 ~ 27:00
定休日 / 日曜・祝日